第90期棋聖戦五番勝負第4局(豊島棋聖 vs 渡辺二冠)
私が今最も強いと思ってる豊島さんに対し、同じくらい強いと思ってる渡辺二冠が挑戦する棋聖戦。
期待した通りの熱局となった。
相居飛車の局面から小競り合いが始まる。
普通は2五同歩かと思うが…
渡辺二冠はちがう!
5五歩と戦線拡大していく!
豊島棋聖も引いてはいられない。
2筋を詰めてから4筋を攻めていく!!
この局面からジリジリと間合いを図る小競り合いが続く。
中央の制圧や駒を前へ推し進めていく。
そして再度開戦する。
やはりここから、
そう、歩の突き捨てから。
と思いきや、
なんと豊島棋聖、その歩を取らない!?!?!!!!
応手は7四歩!!
7三の桂馬を取って敵の攻め駒を攻めていく!
しかし渡辺二冠の歩の成りこみも大きく、銀と交換した局面
駒を取りながら飛車の成る道を作る7七銀が正着。
際どいが豊島玉は耐えているのか…っ!?
龍ができて好調なようだが、実は攻めが重い。
そして相手の攻めをさらに止めにかかる一手が
そう、8九歩
銀取りを見せつつ、龍のききをとめさらに2五の飛車の大転回も狙っている。
そしてついに豊島棋聖の飛車が敵陣に成りこんだ
しかし手堅い受けがある。
4一香だ。
これで横からの攻めにはかなり固くなった。
攻められにくい豊島玉と固い渡辺玉のどちらが勝っているのか
そして、さらなる豊島棋聖の攻めの一手は…
やはりと金をつかっていく。
角を活用されそうだがと金の攻めは手堅い
(見ていた感想ですが、この後の数手は渡辺二冠が盛り返しつつも難しい局面だったようです)
活用された角を叱りつける2八金寄り。
それに対する控え室でも検討されていなかった渡辺二冠の応手が光る
角を攻める桂馬だ
角を取ったあとも桂馬は急所にきいてくる。
この一手はなかなか痺れるようだ。
しかしタダでは崩れない豊島棋聖。
陣を厚くして粘りにはいるが…
数手進むと、挟撃体制を取られてしまった。
玉の逃げ道がないのでなかなか粘りが効かない。
この局面はほとんど万事休すだろう。
しかしここから豊島棋聖の粘りが発揮される!
しかし10手進むと厳しい攻めが入ってくる。
この6八歩は通打だ。
ここから渡辺二冠が上手く寄せ切り、豊島棋聖の執念の粘りを振り切った。
8四歩からの渡辺二冠の攻めに対する豊島棋聖の応手がとても見頃で、そこから激しい戦いが続きました。
一旦は受けきって豊島棋聖が良くなったのですが、上手く攻めを繋いだ渡辺二冠が力を発揮した対局です。
熱戦でした!!!