叡王戦九段予選(井上九段 vs 森下九段)
僕は森下先生の対局は大好きです。
王道って感じます。
さて、局面は5五歩と井上九段から突っかけたところ。
駒の効きも多いので勢い取りそうなところですが…
じっと、6四銀
渋さが滲みでます。
局面は進み
7六歩から同銀でも同金でも5五歩と打てば金駒が1枚手に入る局面。
しかしここで…
6五歩!!
飛車の横利きを抜群に広くする一着。
3四の垂れ歩を取り払うことを見越しています。
森下九段の飛車が大転換して、この局面。
味のいい一着があります…
5六歩!!
角筋を通して桂馬取りになりつつ、敵陣の急所に歩を伸ばす一着。
かなり気持ちのいい一手です。
その角をさばいたこの局面。
角を相手にしない好手があります。
相手の飛車を抑える一手とは…
2五桂!
銀にあてつつ敵の飛車先を重くします。
そして互いに攻め合い
この局面。
必殺の一着があります。
この一着で井上九段が優勢になりました…
3二と!!!!!!
金も角も聞いててただのようですが、どちらで取っても井上九段の攻めが厳しくなります。
やむなく取れず、金取りを放置する森下九段…
最終盤、ここで最後の勝負手がでます。
それは…
8四桂馬!!
ただのところに捨てる手筋!
これで井上九段はかなり焦るところですが、
なんとも落ち着いて対処。
最後にはこの桂馬を取って詰めろとなる局面で森下九段の投了となりました。
最後の図では持ち歩が10枚もあるあたり、森下九段の対局ですね。