観る将から指す将へ〜藤井聡太とどうぶつ将棋〜

主に藤井七段さんのプロ棋戦の棋譜の解説と、自分のどうぶつ将棋を元に振り返り兼勉強をやっていきます!

若手のエース藤井聡太七段が伝説の棋士谷川浩司九段と対局する!

谷川九段は藤井七段が将棋に憧れるきっかけとなった棋士光速の寄せと言われた鋭すぎる終盤は藤井七段を含むファンを魅了した。

まさに運命的な対局
2人の天才がぶつかる!!

局面は最近はやりの雁木の出だし
藤井七段から開戦の火蓋を切っていく!
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このあたりはよくある進行だろう
この後は角交換になり、谷川九段が歩を使って藤井七段の飛車を追い返す

藤井七段は攻めの手を緩めない
上手く歩を使って馬を作ろうとする
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このとき2五の飛車の位置が絶品だ
谷川九段は6四角と銀に紐をつけているが、その角を根こそぎとって8五へと飛車を大転換する筋もある


谷川九段は当然飛車を逃がす
7二、7四、8三などいくつか逃げ場があって悩む
そして選んだのは8三だった
6四角成に対して同銀と取ることで藤井七段の狙い筋である8五飛車の大転換を予め防いでいる

当然藤井七段は角を成るだろう。7一角か6四角成と角交換にするか…
この2つの候補かと思いきや第3の手があった!!!

なんと9一角成!!!
これでは香車を取ったが同角と取り返されてしまう
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9一角成同角に対して7五飛車と転換しても3七角成とされてしまう。これでは藤井七段は駒損だ
しかしその後に飛車が成れるから十分という大局観か!

局後の感想で、この一手が素晴らしい一手であることが確認された。
谷川九段はこの局面で痺れている。
藤井七段が優位に立ったようだ

さあ、9一角成に対して当然の同角と思いきや、谷川九段は違う手を指す!!
なんと3三桂!
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大駒が当たりあってなんともプロらしい。
そして見ていて楽しい将棋だ

飛車を逃げていては話にならない藤井七段
飛車を犠牲に馬を活用する
6四の角をとれば自動的に7五の銀にも当たってくる
しかしそれは谷川九段も同じことが言える
2五の飛車をとれば自動的に3七の桂馬に当たるのだ!

この空中戦!!楽しすぎる!!

藤井七段は角を取り、谷川九段は飛車を取る!
しかし次の藤井七段の一手が冷静だった
とれる7五の銀を取らずに8四飛車!
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銀よりも飛車を取りに行く。
飛車が逃げれば2五桂と取り返して局面をすっきりさせてしまう。
そうなれば残るのは駒得だけだ

とても濃密な57手のうちに藤井七段が勝利となった。
これはまさに世代交代の狼煙だろう。

藤井七段は自分と同じく中学生でプロになった加藤(一二三)九段、羽生九段、渡辺三冠を全て破っている。
そして最後の壁だった谷川九段を本局で初めて破ったのだ。

これから藤井七段の時代が始まる。