観る将から指す将へ〜藤井聡太とどうぶつ将棋〜

主に藤井七段さんのプロ棋戦の棋譜の解説と、自分のどうぶつ将棋を元に振り返り兼勉強をやっていきます!

C級1組順位戦(金井六段vs藤井七段)

新進気鋭の若手の対局。
 一人は言わずと知れた藤井(聡)七段。
対するは叡王戦の番勝負まで進んだ金井六段 

若手同士の軽快な将棋を楽しんでいただきたい

 将棋の序盤~中盤にかけては勢いに波がある。
はじめはじりじりとした展開なのに、ある点を過ぎると一気に激しくなる
その点がここだ 

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藤井七段が金井六段に、激しくいきましょうよと誘っている手だ

 しかし金井六段ももちろん読み筋
 激しい流れに乗っていく。
 あっという間に局面は進み、互いに飛車角を持ちあった。

 そして金井六段の左右の桂馬はぴょんぴょん飛んでいく

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 これぞ若手らしい軽快な手だろう
 しかし軽快なのが良いとは限らない 

軽く受け止められるかもしれないし、もっと重いパンチを食らうかもしれない 

実戦では藤井七段が重いパンチを繰り出した

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 一歩藤井七段がリードした局面だろう

 さらに大きなパンチを繰り出す藤井七段
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しかしこのパンチは空振りに終わる

 そしてここからの金井六段の追い上げがすさまじい。 
さながら一度ダウンを喫したボクサーだが、ジャブとフットワークで逆に藤井七段を追い込んでいく

 攻められていたはずの3筋が、 龍によるジャブと  
手厚い角金歩桂によるフットワークで
 逆に藤井七段をコーナーに追い込んだ 

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 苦しい藤井七段、 
なんとかコーナーを抜け出し、こちらも桂馬を活用したジャブで応戦。 
手に汗握る熱戦となった。  
そして最後に金井六段渾身のストレート!

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 この一発をまともに食らっては藤井七段は立っていられない。  

しかし狙いすましたカウンター!! 

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このカウンターをもろに食らった金井六段
 ふらふらになりながらも最後の攻めを仕掛けるが、藤井七段がかわし切って勝利となった。

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棋王戦挑戦者決定トーナメント(杉本八段vs羽生九段)

穴熊の将棋ではいかに細い攻めを繋げていくかが一つポイントであろう。 
それを教えてくれるベテラン二人の対局だ

 互いにガチガチに囲いあう展開に。

 杉本八段の穴熊が今一つ完成していないタイミングで仕掛けたのは羽生九段の狙いだろう
 飛車と角だけで軽くさばいていく。

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 6,7筋の勝負かと思いきや、軽く8六歩
アマの私に善悪は判らないが、羽生九段の懐の広さを知る一着だ
 しかもこの歩がと金となって活躍するのだから素晴らしい 

先に龍を作った杉本八段 
しかし羽生九段は飛車で上手に桂馬を守る 
小駒を入手して穴熊を攻略したい杉本八段は軽く歩を使っていく 

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こんな歩には構わず攻めあうのだろうと思っていた。
 または、桂馬を跳ねて攻め勢いをつけるのだろうと

しかし、羽生九段は同飛車 丁寧に面倒を見る。 
なるほど杉本八段の残りの歩は1枚のみ 
飛車は抑え込まれそうだが、持ち歩の差が優勢につながるという大局感か


なんとしても羽生九段の飛車を働かせてはいけない杉本八段
 角を打って必死の抑え込みだ

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しかしどうだろう、この抑え込みは成功しない。

 羽生九段も龍を作り、丁寧に丁寧にさして持ち歩の差から優位を築いた

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 こうなるとどうしようもない。 
羽生九段の穴熊は崩れない。
 杉本八段の穴熊は歩の手筋で崩れ去ってしまう
 この後、うまく羽生九段がまとめ切って勝利となった。

第60期王位戦第3局(豊島王位vs木村九段)

2連勝と波に乗る豊島王位
前局は木村九段優先だったものの、僅かなほころびをついて豊島王位が一気に攻めきった

さあ、注目の第3局を見ていこう

予想されていた戦型とは違い、矢倉の出だしとなった。
将棋の純文学だが、タイトル戦に登場するのは久しぶりな気がする。

局面は豊島王位が木村九段が囲いきる前に積極的に攻め始めたところ
近年タイトルを獲得している豊島王位の棋風は積極的果敢に攻め込む棋風だ

そして駒損をものともしない銀上がり
駒を前に前に進めていく
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木村九段は駒得のチャンスだが、豊島王位の駒がどんどん攻め込んできては受け止められない

難しいやりとりがあったが、一度局面を落ち着ける。
こうなると木村九段も十分か
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互いに強みを出しあえる展開となった

今度は木村九段が攻める番だ
しかし攻める駒は相手の玉ではない。
攻めの要の飛車を攻める
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桂馬も投入して攻め込む
豊島王位の飛車がどんどん狭くなっていく
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もはや盤面の右下は木村九段のエリアだ
将来入玉模様となればかなり手堅い

豊島王位の飛車はほとんど働かなくなった
少ない攻め駒で繋ぐしかない豊島王位
渾身の勝負手がでた!
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控え室での評判はイマイチかもしれない。
ソフトの評価も最善手ではないかもしれない。
しかし将棋は2人の勝負師が作り上げるものだ。

肉を切らせて骨を断つ

この言葉が相応しい一手だろう。
木村九段も対応を誤れば一気に負けてしまう。

この盤の上には2人の勝負師の命を賭した切り合いが繰り広げられているのだ


豊島王位は苦しいながらも厳しい攻めを繰り出していく
木村九段は優勢ながらも少しも気を抜けない
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ヒタリと一歩近づけば、ヒラリと一歩遠ざかる
喉元に切っ先を突き付けあった鍔迫り合い

この戦いを一歩リードしたのは木村九段
じわじわと豊島王位の攻めを受止め自由を奪っていく
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もはや豊島王位は片腕だけで切り合いをしているような状態だ

もはや片腕の相手を倒すのは簡単だろうか?
全くそうではない
なぜなら相手は決死の覚悟があるからだ

熟練の勝負師は絶対に自分が死なない道をゆく
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いわば盾も手に入れた木村九段

そして次は弓矢で攻めるといったところか
豊島王位の攻めが遠く届かないようにして、まずは小駒を上手く使って攻める
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将棋とはなんとも面白いもので、そっと駒を動かす一手とパチン!と駒音高く指す一手は同じ一手なのに印象は全く違う

そしてこの一手はパチン!とした駒音の一手だ
もはや勝ちを読み切っているのだろう

あとは一気に決めにかかる
鮮やか、と言うしかないほど華麗に決める
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この局面で豊島王位の投了となった。

熟練の勝負師、木村九段に軍杯が上がった。

どうぶつ将棋ウォーズ!勉強3

どうぶつ将棋の初心者向けの勉強ページです。

さて、局面。
どこにキリンを打てば相手のライオンが捕まりますか?
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さすがにかんたん?

B1キリンですね。

次の問題
ゾウで王手しました。
相手がどこに逃げるかも考えて詰ませてください
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といっても逃げるのは1箇所だけですね
B1ライオンと逃げて、こちらはC2ゾウ(またはA1キリン)とすれば相手のライオンは詰んでいますね。


では、最後の問題
少し発展しましたが考え方は一緒です
かっこよく詰ましましょう
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まずは最初に思い浮かぶC1ヒヨコ成と相手のゾウを取りましょう。気持ちいいですね

ヒヨコがニワトリになるので、王手です。
相手はニワトリを取るしかありません。

そこでB2ゾウとします!
局面を想像してください。見覚えありませんか?

そうです、このブログの1つ前の問題と同じ局面です。
あとは同じですね、
B1ライオンに対してC2ゾウ(またはA1キリン)で詰みです。


発展の発展
最後にA1キリンで詰ませるならゾウが1枚余ります。
ということはC1ヒヨコ成とゾウをとりましたが、そこにゾウがいなかったとしてもC1ヒヨコ成から詰んでいるということです。

実践でヒヨコのただ捨ては指しにくいかもしれませんが、詰みまで読み切ってヒヨコの成り捨てができると気持ちいいですね

王将戦(三浦九段vs斎藤王座)

トッププロ同士の対局
期待に裏切らず大熱戦となった。

本局、ぜひ並べて頂きたい。
熱戦すぎて、一手だけの紹介とする予定が三手も気になる手が出来た

互いに均衡のとれた局面
大駒を捌き合う展開なので、上手く敵陣を突破していきたいが
自陣飛車!!
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なんとも視野が広い
馬を消されたくない斎藤王座
2八桂馬と持ち駒を使うがいかにも辛い(実践はいい勝負だが)

次の局面!
先程よりも激しくなってきた
終盤戦の入口だろうか。
「終盤は駒の損得よりも速度」という格言はよく使われるが
9二香車!!
香車を取られないため(取っても9二の働きが悪いところにするため)にふわりと香車を浮く
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なんともじっくりした手が見えるものだ…

次の局面!!
相手の玉に迫りたい局面
しかし狙うのは馬!


この攻めがほんとに早いのか、と疑問だが実践では厳しい攻めとなっている。
アマの第一感とプロの深い読みにはここまで差があるのか…と唖然とする手です

youtubeの将棋/どうぶつ将棋実況

https://www.youtube.com/channel/UCbhWXiy0RUrkPbqKR6KlItQ

 

最近のYoutubeに上がっている将棋とどうぶつ将棋の実況です。

音声がないものも多いですが。

 

どうぶつ将棋で実況者No1の実力を目指します。

まだまだ先は長いですが。

 

コメントあればお願いします。

竜王戦(木村九段vs永瀬叡王)

木村九段強すぎか!!!
別の棋戦では挑戦してるわ、竜王戦では準決勝まで来るわで絶好調ですか!
衰えませんね

対する永瀬叡王も好調なので、名局が期待されます

さて、相居飛車の出だしから永瀬叡王が強襲している
しかし歩が少なく少し苦しい攻め

そして木村九段の攻めを潰しにかかる一手
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こういう、相手が無理して攻めている時は自分は無理をせずに相手の手の流れに沿って指すといいですね

さあ、急かされている永瀬叡王
無理やり端から拾った一歩でなんとか龍を作った

しかし徹底している木村九段
永瀬叡王の攻め駒を攻め続ける
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龍を作れてもその龍が仕事をしなければ意味が無い
龍を使わせていないので木村九段が優勢だ

そして攻めに転じる木村九段
バチン!!と駒音が聞こえてきそうな一手
完全に急所を攻めている
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右辺を食い破った木村九段
次は左辺だ。馬を作って逃がさない
挟撃は将棋の基本だ
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手筋を繰り出す永瀬叡王
だが、足りない

木村九段の完勝となった
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