観る将から指す将へ〜藤井聡太とどうぶつ将棋〜

主に藤井七段さんのプロ棋戦の棋譜の解説と、自分のどうぶつ将棋を元に振り返り兼勉強をやっていきます!

棋王戦挑戦者決定トーナメント(杉本八段vs羽生九段)

穴熊の将棋ではいかに細い攻めを繋げていくかが一つポイントであろう。 
それを教えてくれるベテラン二人の対局だ

 互いにガチガチに囲いあう展開に。

 杉本八段の穴熊が今一つ完成していないタイミングで仕掛けたのは羽生九段の狙いだろう
 飛車と角だけで軽くさばいていく。

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 6,7筋の勝負かと思いきや、軽く8六歩
アマの私に善悪は判らないが、羽生九段の懐の広さを知る一着だ
 しかもこの歩がと金となって活躍するのだから素晴らしい 

先に龍を作った杉本八段 
しかし羽生九段は飛車で上手に桂馬を守る 
小駒を入手して穴熊を攻略したい杉本八段は軽く歩を使っていく 

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こんな歩には構わず攻めあうのだろうと思っていた。
 または、桂馬を跳ねて攻め勢いをつけるのだろうと

しかし、羽生九段は同飛車 丁寧に面倒を見る。 
なるほど杉本八段の残りの歩は1枚のみ 
飛車は抑え込まれそうだが、持ち歩の差が優勢につながるという大局感か


なんとしても羽生九段の飛車を働かせてはいけない杉本八段
 角を打って必死の抑え込みだ

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しかしどうだろう、この抑え込みは成功しない。

 羽生九段も龍を作り、丁寧に丁寧にさして持ち歩の差から優位を築いた

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 こうなるとどうしようもない。 
羽生九段の穴熊は崩れない。
 杉本八段の穴熊は歩の手筋で崩れ去ってしまう
 この後、うまく羽生九段がまとめ切って勝利となった。