観る将から指す将へ〜藤井聡太とどうぶつ将棋〜

主に藤井七段さんのプロ棋戦の棋譜の解説と、自分のどうぶつ将棋を元に振り返り兼勉強をやっていきます!

2016-12-24 竜王戦加藤一二三 vs. 藤井聡太 竜王戦

藤井聡太さんの対局を振り返っていきましょう。

プロになって初めての対局。

お相手はご存知のとおり、加藤一二三九段です。

 

加藤九段は持ち味の攻めを繰り出す。

対する藤井聡太は落ち着いて相手の攻めを切らしにいく。

 

そして加藤九段の攻めが落ち着いた時、藤井聡太の厳しい攻めが火を噴く!

 

歩頭銀!!

<簡単に解説>

将棋は駒の強さ(=価値)が違います。

会社でも、新入社員よりベテランの方が会社にいてほしいですよね。

でも勝負時は違う、と藤井聡太が教えてくれます。

時にはベテランを犠牲にして新入社員を成長させるのが大きい、というのです。

8六の銀を犠牲に8五の歩を一つまえへすすめるのです。

 

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もしやこの局面で勝ちを読み切っていたかもしれない。

 

この後は華麗に打ち取った。

 

 

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開始日時:2016/12/24 9:00:00
終了日時:2016/12/24 20:43:00
棋戦:竜王戦
手合割:平手
先手:加藤一二三
後手:藤井聡太
手数----指手---------消費時間--
1 7六歩(77) (00:00/00:00:00)
2 8四歩(83) (00:00/00:00:00)
3 6八銀(79) (00:00/00:00:00)
4 3四歩(33) (00:00/00:00:00)
5 7七銀(68) (00:00/00:00:00)
6 6二銀(71) (00:00/00:00:00)
7 2六歩(27) (00:00/00:00:00)
8 4二銀(31) (00:00/00:00:00)
9 4八銀(39) (00:00/00:00:00)
10 5四歩(53) (00:00/00:00:00)
11 7八金(69) (00:00/00:00:00)
12 3二金(41) (00:00/00:00:00)
13 5六歩(57) (00:00/00:00:00)
14 4一玉(51) (00:00/00:00:00)
15 6九玉(59) (00:00/00:00:00)
16 5二金(61) (00:00/00:00:00)
17 3六歩(37) (00:00/00:00:00)
18 3三銀(42) (00:00/00:00:00)
19 5八金(49) (00:00/00:00:00)
20 3一角(22) (00:00/00:00:00)
21 7九角(88) (00:00/00:00:00)
22 4四歩(43) (00:00/00:00:00)
23 6六歩(67) (00:00/00:00:00)
24 7四歩(73) (00:00/00:00:00)
25 6七金(58) (00:00/00:00:00)
26 6四角(31) (00:00/00:00:00)
27 3七銀(48) (00:00/00:00:00)
28 3一玉(41) (00:00/00:00:00)
29 6八角(79) (00:00/00:00:00)
30 4三金(52) (00:00/00:00:00)
31 7九玉(69) (00:00/00:00:00)
32 2二玉(31) (00:00/00:00:00)
33 8八玉(79) (00:00/00:00:00)
34 9四歩(93) (00:00/00:00:00)
35 1六歩(17) (00:00/00:00:00)
36 9五歩(94) (00:00/00:00:00)
37 1五歩(16) (00:00/00:00:00)
38 7三桂(81) (00:00/00:00:00)
39 6五歩(66) (00:00/00:00:00)
40 5三角(64) (00:00/00:00:00)
41 4六銀(37) (00:00/00:00:00)
42 6四歩(63) (00:00/00:00:00)
43 5五歩(56) (00:00/00:00:00)
44 同 歩(54) (00:00/00:00:00)
45 同 銀(46) (00:00/00:00:00)
46 6五桂(73) (00:00/00:00:00)
47 6六銀(77) (00:00/00:00:00)
48 6三銀(62) (00:00/00:00:00)
49 3七桂(29) (00:00/00:00:00)
50 8五歩(84) (00:00/00:00:00)
51 5四歩打 (00:00/00:00:00)
52 同 銀(63) (00:00/00:00:00)
53 同 銀(55) (00:00/00:00:00)
54 同 金(43) (00:00/00:00:00)
55 6三銀打 (00:00/00:00:00)
56 4三銀打 (00:00/00:00:00)
57 2五桂(37) (00:00/00:00:00)
58 2四銀(33) (00:00/00:00:00)
59 1三桂成(25) (00:00/00:00:00)
60 同 銀(24) (00:00/00:00:00)
61 1四歩(15) (00:00/00:00:00)
62 同 銀(13) (00:00/00:00:00)
63 5四銀成(63) (00:00/00:00:00)
64 同 銀(43) (00:00/00:00:00)
65 5五歩打 (00:00/00:00:00)
66 4三銀(54) (00:00/00:00:00)
67 1四香(19) (00:00/00:00:00)
68 同 香(11) (00:00/00:00:00)
69 5四銀打 (00:00/00:00:00)
70 同 銀(43) (00:00/00:00:00)
71 同 歩(55) (00:00/00:00:00)
72 3一角(53) (00:00/00:00:00)
73 6五銀(66) (00:00/00:00:00)
74 同 歩(64) (00:00/00:00:00)
75 4六角(68) (00:00/00:00:00)
76 8三飛(82) (00:00/00:00:00)
77 2五桂打 (00:00/00:00:00)
78 1二歩打 (00:00/00:00:00)
79 4一金打 (00:00/00:00:00)
80 6九銀打 (00:00/00:00:00)
81 3一金(41) (00:00/00:00:00)
82 同 金(32) (00:00/00:00:00)
83 6四角打 (00:00/00:00:00)
84 8六桂打 (00:00/00:00:00)
85 6八金(67) (00:00/00:00:00)
86 7八桂成(86) (00:00/00:00:00)
87 同 金(68) (00:00/00:00:00)
88 同 銀成(69) (00:00/00:00:00)
89 同 飛(28) (00:00/00:00:00)
90 6七金打 (00:00/00:00:00)
91 6九銀打 (00:00/00:00:00)
92 8六銀打 (00:00/00:00:00)
93 3一角成(64) (00:00/00:00:00)
94 同 玉(22) (00:00/00:00:00)
95 6四角(46) (00:00/00:00:00)
96 4二香打 (00:00/00:00:00)
97 7七銀打 (00:00/00:00:00)
98 8七銀成(86) (00:00/00:00:00)
99 同 玉(88) (00:00/00:00:00)
100 8六銀打 (00:00/00:00:00)
101 同 銀(77) (00:00/00:00:00)
102 同 歩(85) (00:00/00:00:00)
103 同 角(64) (00:00/00:00:00)
104 同 飛(83) (00:00/00:00:00)
105 同 玉(87) (00:00/00:00:00)
106 6四角打 (00:00/00:00:00)
107 7五桂打 (00:00/00:00:00)
108 8五歩打 (00:00/00:00:00)
109 同 玉(86) (00:00/00:00:00)
110 9四角打 (00:00/00:00:00)
111 投了 (00:00/00:00:00)

どうぶつ将棋勉強3!

どうぶつ将棋の勉強をしてみましょう。
フルバージョンの動画はこちら↓
https://t.co/L47k4TG0LX?amp=1

どうぶつ将棋の符号はこの画像参照
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さて、問題の局面は下記の局面です。
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じつはこれはどうぶつ将棋では有名な局面(かも)

さて、考えてみましょう。
少し手が広いです。難しいです。

①まずはA3のゾウが取られそうだから逃げたいですね。
逃げるならB4ゾウ。

しかし勢いがないですね~
B3ヒヨコと打たれてまずそうでしょうか

②逃げるんじゃなくて攻めろ!としてみると
B2ヒヨコを考えてみますか。B2ヒヨコに同キリンはいまいちでしょう。
C1ライオンと逃げますね。これはいい勝負っぽいです。
A1ライオンと逃げちゃうとC2ゾウを取れちゃうんで勝ちですね。

③もっと攻めろ!
とB2キリンと打ちますか。
すると、同キリン同ゾウで上の人の手番です。
そのときB3キリンとするとC4ライオンと逃げるしかないので、C2ライオンとこちらのゾウを取られて悪いです。


今まで考えた中ではB2ヒヨコがいい勝負でしょうか。
しかし、最善手は違います

B3ヒヨコ!!!

え?A3ゾウがタダで取られるやん。。。
どうすんの?

もしA3ゾウが取られたらB2キリンと打ち返しましょう!!
A1ライオンと逃げたらC2ライオンとトライを狙って優勢です。

C1ライオンと逃げてもC2キリンと王手で迫れるので優勢です。

C2キリンのあとは、B1ライオンB2ヒヨコA1ライオンC1キリンが一例です。
おそらくこれで勝ちです。

では後手はB3ヒヨコと打たれた後にどうすればよいのか

正解は、B3同ゾウ!!
ええ!!ヒヨコとゾウを交換するの!?
しかしこれが最有力な変化になります。

その後は難しく、後手はヒヨコを打ってきたり、ゾウを取ってきたりします。
まだ60手くらい先があります。


初心者の方はぜひB3ヒヨコだけ覚えていただけるといいと思います。
相手も初心者だったらA3キリンとゾウを取ってきますので。



さて、今後はyoutubeにどうぶつ将棋の後手必勝パターンを投稿していこうと思います。
かなりパターンがあるので結構な量になりそうですが、頑張って少しづつ挙げていきます。

ちなみに今回の問題の局面は、初手C3キリン(いわゆる、キリンの翼)の流れから、先手が避けて通れない道です。

頑張りましょう。

どうぶつ将棋はお子さんにおすすめの将棋です。今後親御さんが覚えてこどもと一緒に指してくれればな、と思います。

A級順位戦(佐藤天彦九段vs渡辺三冠)

最近プロの将棋を見てきて再認識する 

どっひゃあああああああああーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!

 と叫びたくなるような手が出るのだ。
 鋭い読みに裏付けされた一着。 

トッププロの将棋は特にそれが多い。 
では、A級順位戦、言わずと知れたトッププロ二人の対局を見てみよう。 
さあ、局面 

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難解だ 
 何を指せばいいのかわからない 
そんな難しい局面から一筋のこたえを紡いでいくのがプロの将棋だ

 どこまで攻めを受け止めてどこからカウンターを食らわせるのか 
永遠の難題だろう。


 さて、次の局面。 

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どっひぇええ!といった局面だ。
 なぜなら7六の銀がぼろりと取られるからだ。 
確かにこの局面で銀を見捨てるのはしょうがない。
逃げていられる局面ではない。 

だが、プロなら当然この展開を読んでいる。
 銀を取られる展開を読んだうえで踏み込んでいるのだ。
 この後、銀損を上回る攻めを繰り出せる確信があるのだ。
 その確信は読みに裏付けされている。 

 いくら受け将棋の佐藤九段といえども受けてばかりでは勝てない。 
厳しい攻めを繰り出す。

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 どちらの攻めが速いかの勝負となった。 
しかし強すぎる渡辺三冠 
いったん攻めを受け止め、さらに厳しく攻め立てる 
 簡単には崩れない渡辺玉 
佐藤九段もいろいろな攻めを繰り出す。 
そしてここででた。 

どっひゃあああああああああーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!

 だ。 

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7三銀と飛車を取りいく佐藤九段 
左右挟撃の構えを見せているのだろう。 
しかし飛車取りを無視する渡辺三冠!! 

5五角!! 

4六に自分の歩があって龍取りではないが、つぎに4七歩成とできればかなり厳しい攻めになる。 
まずは飛車を逃げるところから考える局面で、広く盤面を見る渡辺三冠

 この読みがアマを驚かせ、将棋を楽しいものにしてくれる。

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詰めろ馬取りで最後の望みをかける佐藤九段 
しかしこの手も読まれている。 
丁寧に応じて渡辺三冠が優勢だ 
そしてそのまま勝ち切った

叡王戦(稲葉八段vs山崎八段)

独創性vs王道、と言えるだろう二人の中堅同士の対局だ  

本局は終盤で形勢が振り子のように揺れ動いている。  
すべてを紹介することはかなわないので、注目個所のみをお届けしよう  

中盤の難所だ 
ここからいかに厳しい攻めを繰り出せるか、稲葉八段 

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みなさんはぱっと見でどこに手が行く?

 やはり急所は、玉のコビンだ 

4四歩!

 序盤から苦しい時間が多かった稲葉八段
 コビン攻めで活路を見出す。 

 そして最終盤 詰むやつまざるやの局面 

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稲葉八段はうまく山崎八段の玉を包囲した
 さあ、山崎八段、どう応じる? 

ばっさり7七香成 
なんとも見事に詰ませ切った 山崎八段の勝利

C級1組順位戦(金井六段vs藤井七段)

新進気鋭の若手の対局。
 一人は言わずと知れた藤井(聡)七段。
対するは叡王戦の番勝負まで進んだ金井六段 

若手同士の軽快な将棋を楽しんでいただきたい

 将棋の序盤~中盤にかけては勢いに波がある。
はじめはじりじりとした展開なのに、ある点を過ぎると一気に激しくなる
その点がここだ 

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藤井七段が金井六段に、激しくいきましょうよと誘っている手だ

 しかし金井六段ももちろん読み筋
 激しい流れに乗っていく。
 あっという間に局面は進み、互いに飛車角を持ちあった。

 そして金井六段の左右の桂馬はぴょんぴょん飛んでいく

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 これぞ若手らしい軽快な手だろう
 しかし軽快なのが良いとは限らない 

軽く受け止められるかもしれないし、もっと重いパンチを食らうかもしれない 

実戦では藤井七段が重いパンチを繰り出した

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 一歩藤井七段がリードした局面だろう

 さらに大きなパンチを繰り出す藤井七段
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しかしこのパンチは空振りに終わる

 そしてここからの金井六段の追い上げがすさまじい。 
さながら一度ダウンを喫したボクサーだが、ジャブとフットワークで逆に藤井七段を追い込んでいく

 攻められていたはずの3筋が、 龍によるジャブと  
手厚い角金歩桂によるフットワークで
 逆に藤井七段をコーナーに追い込んだ 

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 苦しい藤井七段、 
なんとかコーナーを抜け出し、こちらも桂馬を活用したジャブで応戦。 
手に汗握る熱戦となった。  
そして最後に金井六段渾身のストレート!

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 この一発をまともに食らっては藤井七段は立っていられない。  

しかし狙いすましたカウンター!! 

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このカウンターをもろに食らった金井六段
 ふらふらになりながらも最後の攻めを仕掛けるが、藤井七段がかわし切って勝利となった。

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棋王戦挑戦者決定トーナメント(杉本八段vs羽生九段)

穴熊の将棋ではいかに細い攻めを繋げていくかが一つポイントであろう。 
それを教えてくれるベテラン二人の対局だ

 互いにガチガチに囲いあう展開に。

 杉本八段の穴熊が今一つ完成していないタイミングで仕掛けたのは羽生九段の狙いだろう
 飛車と角だけで軽くさばいていく。

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 6,7筋の勝負かと思いきや、軽く8六歩
アマの私に善悪は判らないが、羽生九段の懐の広さを知る一着だ
 しかもこの歩がと金となって活躍するのだから素晴らしい 

先に龍を作った杉本八段 
しかし羽生九段は飛車で上手に桂馬を守る 
小駒を入手して穴熊を攻略したい杉本八段は軽く歩を使っていく 

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こんな歩には構わず攻めあうのだろうと思っていた。
 または、桂馬を跳ねて攻め勢いをつけるのだろうと

しかし、羽生九段は同飛車 丁寧に面倒を見る。 
なるほど杉本八段の残りの歩は1枚のみ 
飛車は抑え込まれそうだが、持ち歩の差が優勢につながるという大局感か


なんとしても羽生九段の飛車を働かせてはいけない杉本八段
 角を打って必死の抑え込みだ

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しかしどうだろう、この抑え込みは成功しない。

 羽生九段も龍を作り、丁寧に丁寧にさして持ち歩の差から優位を築いた

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 こうなるとどうしようもない。 
羽生九段の穴熊は崩れない。
 杉本八段の穴熊は歩の手筋で崩れ去ってしまう
 この後、うまく羽生九段がまとめ切って勝利となった。

第60期王位戦第3局(豊島王位vs木村九段)

2連勝と波に乗る豊島王位
前局は木村九段優先だったものの、僅かなほころびをついて豊島王位が一気に攻めきった

さあ、注目の第3局を見ていこう

予想されていた戦型とは違い、矢倉の出だしとなった。
将棋の純文学だが、タイトル戦に登場するのは久しぶりな気がする。

局面は豊島王位が木村九段が囲いきる前に積極的に攻め始めたところ
近年タイトルを獲得している豊島王位の棋風は積極的果敢に攻め込む棋風だ

そして駒損をものともしない銀上がり
駒を前に前に進めていく
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木村九段は駒得のチャンスだが、豊島王位の駒がどんどん攻め込んできては受け止められない

難しいやりとりがあったが、一度局面を落ち着ける。
こうなると木村九段も十分か
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互いに強みを出しあえる展開となった

今度は木村九段が攻める番だ
しかし攻める駒は相手の玉ではない。
攻めの要の飛車を攻める
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桂馬も投入して攻め込む
豊島王位の飛車がどんどん狭くなっていく
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もはや盤面の右下は木村九段のエリアだ
将来入玉模様となればかなり手堅い

豊島王位の飛車はほとんど働かなくなった
少ない攻め駒で繋ぐしかない豊島王位
渾身の勝負手がでた!
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控え室での評判はイマイチかもしれない。
ソフトの評価も最善手ではないかもしれない。
しかし将棋は2人の勝負師が作り上げるものだ。

肉を切らせて骨を断つ

この言葉が相応しい一手だろう。
木村九段も対応を誤れば一気に負けてしまう。

この盤の上には2人の勝負師の命を賭した切り合いが繰り広げられているのだ


豊島王位は苦しいながらも厳しい攻めを繰り出していく
木村九段は優勢ながらも少しも気を抜けない
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ヒタリと一歩近づけば、ヒラリと一歩遠ざかる
喉元に切っ先を突き付けあった鍔迫り合い

この戦いを一歩リードしたのは木村九段
じわじわと豊島王位の攻めを受止め自由を奪っていく
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もはや豊島王位は片腕だけで切り合いをしているような状態だ

もはや片腕の相手を倒すのは簡単だろうか?
全くそうではない
なぜなら相手は決死の覚悟があるからだ

熟練の勝負師は絶対に自分が死なない道をゆく
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いわば盾も手に入れた木村九段

そして次は弓矢で攻めるといったところか
豊島王位の攻めが遠く届かないようにして、まずは小駒を上手く使って攻める
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将棋とはなんとも面白いもので、そっと駒を動かす一手とパチン!と駒音高く指す一手は同じ一手なのに印象は全く違う

そしてこの一手はパチン!とした駒音の一手だ
もはや勝ちを読み切っているのだろう

あとは一気に決めにかかる
鮮やか、と言うしかないほど華麗に決める
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この局面で豊島王位の投了となった。

熟練の勝負師、木村九段に軍杯が上がった。